会社で働く場合には、雇用形態でいろいろな働き方があります。安定した働き方ができる正社員を選ぶか、自由な働き方ができる派遣社員を選ぶのか迷っている人もいるでしょう。ほかにも派遣社員から正社員への転職を考える人もいるかもしれません。今回は正社員と派遣社員のそれぞれの特徴を比較しながら違いなどを解説していきます。
正社員と派遣社員の違い
正社員としての働き方だけでなく、派遣社員として働く人も増えていますが、それぞれに何が違うのかあまり分からない人も多いでしょう。ここでは正社員と派遣社員の違いについて紹介していきます。
雇用先が違う
正社員は正規社員とも呼ばれており、企業から直接雇用されている社員のことで、所定労働時間がフルタイムで労働契約の期間の定めがない働き方のことをさします。一方で派遣社員は、企業が委託した人材派遣会社に登録し、勤務先の企業に派遣されるため、雇用先としては派遣会社となります。
異なる雇用期間
正社員は無期契約となっているので、就業期間はとくに決められていません、一方で派遣社員は派遣法で、同一事業所の同一部署で同じ派遣社員の派遣を受けることは原則最大3年までと決められています。ただし、雇用形態を変えることで雇用期間は変えることは可能です。
収入面での違い
正社員は、働いている会社から月給として毎月決まった金額の給与を受け取りますが、派遣社員は時給計算となっており、派遣会社から給与を受け取ります。そのため、正月休みや盆休み、ゴールデンウィークなど会社として休みが多い場合に収入の差がおきるでしょう。
派遣社員はボーナスも退職金も設けられてないことが多く、昇給の機会も少ないため、正社員の方が優遇されていることが多いですが、場合によっては、派遣社員の方が多い収入を得られ場合もあります。
労働時間の違い
週5で1日8時間勤務が多いのが正社員ですが、派遣社員の場合は自由度が高く、週4日以下や1日8時間未満での働き方が可能です。
正社員と派遣社員のメリット・デメリットを比較
これまで正社員と派遣社員の違いについて説明してきましたが、それぞれにメリットやデメリットがあるので、紹介していきます。
正社員のメリット
正社員のメリットとして大きいのは安定していることです。雇用期間が定められていないため定年まで働ける場合がほとんどで、特別な理由がない限りは基本的に途中で辞めさせられることはありません。
昇給や昇格の機会も多く、賞与や退職金をもらえる場合もあり、福利厚生も充実していることが多いため、長期的なライフプランが立てやすいというメリットもあるでしょう。責任のある仕事を任せられることも多いため、仕事に対して価値を求めている人にとっては正社員がおすすめです。
正社員のデメリット
契約内容によって異なりますが、場合によって希望していない職種や勤務地で働く場合があり、かりに希望する職種や勤務地で勤めることができたとしても、異動や転勤になる可能性が高いでしょう。
残業や休日出勤が必要な場合もあり、時給換算に直すと派遣社員よりも低くなる可能性もあり、仕事とプライベートの両立をすることが難しい場合があります。
派遣社員のメリット
自由な働き方ができるのが派遣社員の最大のメリットです。勤務地をはじめ、勤務時間や期間、業務内容など、自分の条件にあった仕事を選んで、自分のスキルを活かした得意な分野で仕事ができます。正社員と比べても自由度は高い分、仕事とプライベートとを両立させながら働くことができる環境があります。
派遣社員のデメリット
契約期間の満了に伴い、別の職場を探す必要が出てくるため雇用が不安定といえるでしょう。さらに、時給計算であることが多く、盆休みや正月休み、ゴールデンウィークなど休みが多い月は収入が減るのもデメリットといえます。
派遣社員から正社員を目指すには
正社員は収入面でも安定していることが多く待遇面が良いことから、派遣社員から正社員を目指す人も少なくありません。そこで、どのような方法で目指すことができるのか紹介していきます。
紹介予定派遣で働く
派遣社員として働きながら、派遣先の企業で正社員を目指す働き方として紹介予定派遣があります。派遣期間としては6か月で、その後直接雇用契約を結ぶかどうかを企業と派遣社員がそれぞれ検討し、双方の合意が得られれば正社員となります。
つまり、派遣期間の6カ月間が試用期間となるので、紹介予定派遣で派遣されたとしても必ず正社員になれるわけではありません。
転職活動
一般的な方法としては、自分で正社員の求人を探して転職活動をする方法です。派遣先で正社員を目指すよりも、最初から正社員を目指して転職活動をした方が高い確率で正社員になれるでしょう。
派遣社員の契約終了後に転職活動をすれば、時間がある分転職活動に専念できる一方で、収入面で不安な部分もあるため、派遣社員として在職中に転職活動を行うかどうか十分に考えてから行動しましょう。
まとめ
今回は正社員と派遣社員の違いやそれぞれのメリットやデメリットについて比較してきました。正社員は雇用期間の定めもなく福利厚生も充実しており安定的ですが、プライベートとの両立が難しい場合があり、必ずしも希望する勤務地や職種の仕事ができないことがあります。
一方で、派遣社員は安定性には欠けるものの、自由な働き方ができ、プライベートも充実させることが可能です。派遣社員から正社員を目指すことも可能なので、安定を求めたいと考えている方は、ぜひ挑戦してみましょう。